From:横関弦
条件が揃った敷地に出会うことはほとんどないと前回お伝えしましたが。
今回は条件があまり良くない敷地の場合にどのように家を計画すれば良いのかを考えたいと思います。
場所・価格はいいけど敷地の形状がちょっとな〜なんて悩んでいる方には参考になるのでは?
不整形な敷地
例えば、三角州のような形状の不整形な敷地。
ハウスメーカーに依頼すると良い顔されないと思いますが、設計事務所やプランニングに自信のある工務店に頼むと目を輝かせるかもしれません。
特に不整形な敷地では設計者の力量が求められるからです。
その力量がダイレクトに反映されるのが不整形な敷地。
基本的には不整形な敷地形状に合わせて建物を変形させるか、整形な建物を計画して余ったスペースを外構でカバーしていくかのどちらかです。
借景を利用する
「良いところがどこにも見当たらない」
そんな敷地でもちょっとした隙間から借景が望めるかもしれません。
借景とは離れた景色をピクチャーウィンドウなどを介して室内に取り込むように利用することです。
外の空間と連続しているように計画できれば狭い家でも広さを感じることができます。
借景も無理なら中庭を計画してみては?
空は家が建てられるどんな敷地からでも眺められます。
地盤が悪い
敷地の良し悪しに関係なく問題になるのが地盤の状態。
こればっかりは地盤調査してみないと分かりません。
分からないけど予測することは可能です。
その敷地の周りに新築したような家はありませんか?
10年ほど前から住宅瑕疵担保保険が義務化されてますから地盤調査はされているはずです。
築10年ほど経っていそうな周りの家の方に聞いてみるって手もあります。
また、不動産屋さんに確認してみるってこともありだと思います。
地盤に関しては調査してみないと分からないことなので不動産屋さんもはっきり答えることはできないと思いますが…
周りの家の様子などは教えてくれるかもしれません。
私はいつもお客様には「地盤改良あってもいいように余分に工事費を見ておいてください」と正直にお話しします。
ケースバイケースですが、地盤改良になると50万〜100万円ほどの工事費が掛かってしまいます。
もっと高額になってしまうケースも。
再建築不可
法律上、建物の敷地は道路に2m以上接していなければなりません。
しかし、古い住宅地ではこの法律が守られていないことも。
このような敷地では新築はもちろん、既存の住宅の建て替えもできません。
ではどうすれば良いのか?
そんな時は「スケルトンリフォーム」をお勧めします。
建物の骨組みだけを残してあとは丸ごとリフォームする方法です。
丸ごとのリフォームですからまるで新築のような仕上がりになります。
ただ、鉄骨造や木造3階建以上になると建築確認申請が必要になりますから注意してください。
何を優先するか
このように条件があまり良くない敷地であっても工夫次第で家を建てられることを分かっていただけたかと思います。
どう考えても何も浮かばないような敷地もあるでしょうけど、要は何を優先するかによります。
その敷地にこだわる理由はありますか?
その敷地にこだわるなら家の間取りがイメージできていますか?
間取りの良し悪しは敷地をどう生かしていくかに掛かっています。
P.S.
敷地の形状にかかわらず間取りがイメージできない。
そんな時はご自身で悩んでいないで迷わずにご相談ください。
パッと視界が開けるかもしれませんよ。