From:横関弦
「ログハウスってメンテナンスが大変」
ログハウスに興味があってご自身で色々と調べている時には、
よく目にする言葉かもしれません。
確かに、一般的な住宅に比べてメンテナンスの必要はあります。
そもそもログハウスって『丸太組み工法』ですから、
木材を組んで積んで構成されている住宅です。
外壁・内壁といった区別がなく、
ログ材がそのまま外壁・内壁を兼ねます。
ですからログ材の外面は雨水が染み込んで木材を傷めないように塗装をしますし、
ログ材が組み合わさる箇所や窓周りは防水シーリングが欠かせません。
さらに、ログ材自体の重みによって壁が下がることがあります。
これはセトリングと呼ばれるログハウス特有の現象です。
ログハウスについてあまり知らない方にとっては、
ちょっとこの現象は理解し難いかもしれませんね。
ただ、せっかくログハウスに興味があってもメンテナンスが大変だからと、
ログハウスを諦めてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方々のために、
ログハウスのメンテナンスについてご紹介したいと思います。
正しい情報を知った上でログハウスと付き合うことで、
メンテナンスに対する考えも違ってくるはずです。
セトリングとは?
セトリングが一番理解し難いログハウス特有の現象かもしれません。
ですが、このセトリングがログハウスを建てる上では一番重要です。
このことを理解していないと、
窓が割れてしまったり、ユニットバスが壊れてしまう可能性もあります。
初めてログハウスを建てる大工さんがやってしまいがちなよくある間違いの一つです。
セトリングとはログ材の乾燥による収縮と、
ログ材そのものの重さによりログ壁が下がる現象です。
1本のログ材が1mm収縮したとします。
1番高いところで40段以上ものログ材を積みますから、
そこだけで40mmも壁が下がることになります。
木材を横に積んでいく丸太組み工法ならではですね。
ログハウス建築ではそのセトリング対策として、
窓や建具やユニットバスの上にはわざと隙間を空けてあります。
この対策を知らないような大工さんだと、
隙間を空けずに窓や建具を取り付けてしまったり、
下がるであろう壁に物を固定してしまったりという間違いが起こってしまうのです。
セトリングを理解した上で
このセトリング現象を理解していれば、
建ててから起こるログハウスのあれこれにも対処できるでしょう。
セトリング対策の隙間はテープで塞ぎ、
トリム(窓飾り)で隠して防水シーリングも施してありますが、
風向きやテープ・シーリングの劣化によっては雨漏りする可能性があります。
また、ログハウスを固定しているボルトが緩んでしまうこともあります。
セトリングを理解していれば、
その時に「なんで?、どうしよう?」と慌ててしまうこともなく、
落ち着いて対処できるはずです。
その後に建てた会社に連絡してください。
テープを張り替えたりシーリングをやりなおしたり、
緩んだボルトを締め直したりしてくれるはずです。
ログハウスに住むには一喜一憂しない。
そんな心構えも必要かもしれません。
P.S.
ログハウスの主なメンテナンスには他にも塗装・防水シーリングなどがあります。
それらについてはまたの機会にご紹介します。