From:横関弦
前回に少しだけご紹介した省エネ住宅。
住宅ローン減税やすまい給付金、贈与税非課税枠の拡大でも、
省エネ住宅だと控除額が大きくなったり、
非課税になったりするものでした。
100万円以上の補助金が受けられる地域型住宅グリーン化事業でも、
ZEHや長期優良などの省エネ住宅が必須になっています。
どうしてこんなに国は「省エネ住宅」を推奨しているのでしょうか?
そこには私たちの暮らしが関係しています。
なぜ今、「省エネ住宅」を国や私たちが推奨しているのか?
背景には地球環境問題の悪化があります。
今年の冬ってどうでしたか?
昨年末なんて例年に比べて寒くなかったですよね?
桜も統計開始以来もっとも早い開花なんて場所も多かったです。
近所の桜はすでに散り始めていますし…
これもやっぱり温暖化が影響しているのですかね。
温暖化の原因は二酸化炭素などの温室効果ガスの排出にあります。
まずは家庭からはじめよう
2017年のデータでは、日本の二酸化炭素排出量は世界第5位だそうです。
人口たかだか1億程度の国が世界で5番目に二酸化炭素を多く排出しているんですよ?
このデータを見たとき正直ショックでした。
しかも、1人あたりの排出量で見てみると日本は4番目に多いです。
2005年の京都議定書から削減は進めていますがまだまだ世界の上位。
産業・運輸はもちろん、家庭からの二酸化炭素の排出を削減しなくてはなりません。
家庭からの排出量は全体の13%〜16%を占めていますから。
そのほとんどが給湯や冷暖房、家電製品からの排出です。
それらの使用量を抑えて、石油・ガス・電気などの消費を減らせる住まいが求められているのです。
省エネ住宅って?
省エネ住宅の基本は少ない冷暖房エネルギーで快適に過ごすことです。
そのため、冬は熱を逃がさない「断熱」、
夏は熱を侵入させない「日射遮蔽」がポイントになってきます。
その指標になるのが「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」です。
いわゆるこれが省エネ法。
2013年に改正されて「平成25年基準」が基になっています。
冷房機や給湯・照明などの設備機器自体にも消費ネルギー基準を設け、
住宅全体で消費量を評価する「一次エネルギー消費量」の項目が追加されました。
この平成25年基準がさきほどの減税や補助金の際の優遇の目安になっています。
省エネ住宅をもっと増やして家庭からの二酸化炭素排出量を減らしたい、
だから省エネ住宅を建ててくれた人には補助金や減税をしますよ、
という流れから省エネ住宅を推奨しているわけです。
さらなる省エネ住宅も
私たちが今造る家のほとんどは長期優良住宅です。
9割がそうでしょうか。
長期優良住宅の認定を取らなかったとしても、
その仕様は長期優良住宅と同等にしています。
それほどこれからの住宅は長期優良住宅が必須になってくるでしょうね。
しかも長期優良住宅よりも断熱性や創エネに優れた住宅もあります。
太陽光発電などから創るエネルギーと消費するエネルギーが、
プラスマイナスゼロになる「ZEH」や、
使用するエネルギーを自動制御する「スマートハウス」、
断熱性能をより高めた「HEAT20」と呼ばれる基準の住宅もあります。
しかも断熱性能の高い住宅は、
住む人の健康寿命を高めることもわかってきました。
他国に遅れをとっていた日本ですが、
ようやく省エネ住宅がスタンダードになりつつあります。
P.S.
新築に限らず断熱リフォームも一般的になってきています。
地球の未来のために、なんて偉そうなことかもしれませんが…
まずはご自身の健康のため、
大切な家族の健康のためにも、
「省エネ」についてもっと考えてみてはいかがですか?