本物のモミの木の板を窓枠に加工

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From:横関弦

いよいよ10連休に突入しますね。
さすがに私たちは10日も休めませんが、気分は若干浮ついています。

そしてこの連休中に平成から令和へ。
新しい時代が始まりますね。

どんな時代になるのか?
どんな物や事が誕生していくのかとても楽しみです。

新しいことには希望があって楽しみですが、
今日は正反対のお話し。
古くからの伝統が今も残っている大工仕事について
お話ししたいと思います。

無垢材を窓枠などに加工

富士宮市宝町で建築中の『どんとパネル工法の家』新築現場で使う、
窓枠や巾木・廻り縁などを加工しています。

今回使う無垢材はモミの木の板。
幅を決めて厚みを揃えて仕上げを掛けて。

私たちはほぼ全ての現場で、窓枠などをこうして無垢材から加工します。
手間が掛かりますがこれも大工仕事の一つです。

今では珍しい大工仕事?

一昔前はどの大工さんも私たちと同じように、
窓枠などは無垢材から加工していました。

ですが、効率化を求められる時代、
窓枠も無垢材から既製品へと変化してきました。

現在主流となっているものは、
合板とMDF(木材チップが原料)で心材を作って、
樹脂化粧シートで包んだものです。
つまり、軽くて扱いやすく加工もいらない本物に似せただけのものが主流です。

この窓枠なら作業場で加工することも、
現場によって仕上がりに違いが出ることも、
大工の技術が必要になることもありません。
納品されたものを組み立てるだけですから。

本物に似せた偽物

木肌に似せた化粧シートを貼った窓枠は、
一見すれば本物の木の板のようです。

でも所詮は偽物。
本物の木肌のような質感もなく、
触ってみれば木の持つ温もりや肌触りも感じられません。

私たちが無垢材で加工した窓枠などを使うのもそういう理由からです。
やっぱり本物は違います

大工不要の時代へ

新しい時代では、今よりもさらに効率化が進むことでしょう。
ベテランの大工さんが言った言葉が忘れられません。

「今は大工(第九)は必要ない、第五か第六で十分だ」

作業場も持たない大工さんも増えています。
大工の技が必要な現場も少なくなり、
なんでもかんでも既製品を使うようなったら、
それこそ大工さんは必要じゃなくなるかもしれません。

寂しいことですよね。
昔から伝わる技術は少しでも後世に残したい。
そんな思いも持って家づくりに励んでいます。

P.S.
かくいう私は大工ではありません。
実際には第五か第六でしょう。
生意気言ってしまってすみませんでした。

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